「手軽そう」に見える治療ほど、事前に知るべきことがある
いびきレーザー治療は、「切らない」「短時間」「ダウンタイムが少ない」といった言葉で紹介されることが多く、いびきに悩む人にとって魅力的に映ります。実際、外科手術に比べれば身体的・心理的なハードルは低く、気軽に検討されやすい治療です。
一方で、実際に受けた人の中には「思ったほど効果を感じなかった」「何度も通うことになった」といった声があるのも事実です。これは治療が悪いというより、事前に理解すべきデメリットや限界が十分に共有されていないことが原因で起きやすい問題だと考えられます。
この記事では、メリットではなくあえてデメリットと限界に焦点を当てます。読み終えたときに、「自分は受けるべきか、別の選択肢を考えるべきか」を冷静に判断できることを目的としています。
いびきレーザー治療の基本|どんな仕組みで効果を狙うのか
いびきレーザー治療は、主に喉の奥にある軟口蓋やその周囲の粘膜にレーザーを照射し、組織を引き締めることで気道を広げることを目的とした治療です。いびきは、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、粘膜が振動することで発生します。そのため、たるみを改善できれば、音が軽減される可能性があります。
ただし、この治療は「いびきの原因がどこにあるか」に強く依存します。骨格や顎の構造、肥満による気道圧迫が主因の場合、レーザーで粘膜を引き締めても効果は限定的です。
つまり、いびきレーザー治療はすべてのいびきを治す万能な方法ではなく、特定の原因に対して効果を狙う治療だという前提を理解しておく必要があります。
デメリット①|効果に「個人差」と「限界」がある
いびきレーザー治療で最も誤解されやすいのが、「受ければ誰でも改善する」というイメージです。実際には、効果には大きな個人差があります。軽度のいびきや、粘膜のたるみが主因の場合は改善を感じやすい一方で、重度のいびきや睡眠時無呼吸症候群が疑われるケースでは、十分な効果が得られないこともあります。
特に注意したいのは、「完全にいびきが消える」と期待してしまうことです。多くの場合、目指せるのは軽減や音量の低下であり、ゼロになるとは限りません。
広告や体験談だけを見ると効果が強調されがちですが、治療の限界を理解した上で受けないと、結果への不満につながりやすい点は重要なデメリットと言えます。
デメリット②|1回で終わらない可能性が高い
いびきレーザー治療は、1回で十分な効果が出るケースもありますが、現実には複数回の施術が前提になることが少なくありません。組織の引き締めは段階的に起こるため、2回、3回と照射を重ねて初めて変化を実感する人もいます。
その結果、当初想定していたよりも通院回数が増え、費用や時間の負担が大きくなることがあります。「◯回で改善」といった表現はあくまで目安であり、保証ではありません。
この点を理解せずに始めてしまうと、「思ったよりお金がかかった」「終わりが見えない」と感じやすくなります。継続前提の治療である可能性が高いことは、事前に知っておくべき重要なポイントです。
デメリット③|効果が「永続しない」可能性
いびきレーザー治療の効果は、永久的に続くとは限りません。レーザーによる引き締め効果は時間の経過とともに弱まることがあり、数か月から数年で再びいびきが出てくるケースもあります。
加齢による筋力低下や、体重増加、生活習慣の変化なども影響します。そのため、改善しても再治療が必要になる可能性は常にあります。
一度受ければ一生安心、という治療ではない点は、期待値を調整する上で非常に重要です。長期的に見ると、定期的なメンテナンスとして捉える必要があり、これを負担と感じる人も少なくありません。
デメリット④|軽度とはいえ副作用・違和感はゼロではない
いびきレーザー治療は比較的安全性が高いとされていますが、無リスクではありません。施術後に喉の痛み、腫れ、ヒリヒリ感、乾燥感などを感じることがあります。多くは一時的ですが、数日から1週間ほど違和感が続く場合もあります。
また、食事や会話がしづらくなるなど、日常生活に軽い支障が出ることもあります。「切らないから何も起きない」と思っていると、ギャップを感じやすいでしょう。
医療行為である以上、一定の副作用リスクがあることを理解し、メリットだけでなくデメリットも含めて納得した上で受ける姿勢が重要です。
限界の整理|いびきレーザー治療が向いていない人
いびきレーザー治療には、明確に向いていないケースがあります。例えば、重度の睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合や、顎の骨格的な問題が大きい場合、肥満による気道圧迫が主因の場合などです。
これらのケースでは、レーザー治療だけで十分な改善を期待するのは難しく、CPAP療法や外科的治療、生活習慣の改善が優先されることもあります。
また、「即効性」や「完全消失」を強く求める人も、満足しにくい傾向があります。治療の特性と自分の状態が合っているかを見極めることが不可欠です。
それでも検討するなら|後悔しないためのチェックポイント
いびきレーザー治療を検討する場合、事前にいくつか確認しておきたいポイントがあります。まず、必要な回数や総費用、期待できる効果の範囲について、具体的な説明を受けているか。
次に、効果が十分でなかった場合の対応方針や、他の治療選択肢との比較が行われているかも重要です。
クリニック選びでは、メリットだけでなく限界やリスクもきちんと説明してくれるかを一つの基準にすると、後悔しにくくなります。
まとめ|デメリットと限界を理解した人だけが、納得できる治療になる
いびきレーザー治療は、決して万能な治療ではありません。しかし、適切な人が適切な期待値で受ければ、意味のある選択肢になり得ます。
重要なのは、デメリットや限界を知ることが、治療を否定することではないという点です。むしろ、理解した上で選ぶからこそ、結果に納得できるのです。
いびきに悩む中で焦りが出ることもありますが、一度立ち止まり、自分に合った方法を考えることが、最終的な満足につながります。
参考文献
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